「俊寛」(菊池寛)
それにしても菊池寛の脚色は見事です 「俊寛」(菊池寛)(「百年文庫048 波」)ポプラ社 「俊寛」(菊池寛)(「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」) 新潮文庫 それは、彼が鹿ヶ谷の山荘で飲んだ如何なる美酒にも勝って居た。彼がその...
それにしても菊池寛の脚色は見事です 「俊寛」(菊池寛)(「百年文庫048 波」)ポプラ社 「俊寛」(菊池寛)(「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」) 新潮文庫 それは、彼が鹿ヶ谷の山荘で飲んだ如何なる美酒にも勝って居た。彼がその...
「形」が「実力」を凌駕してしまうことがある 「形」(菊池寛)(「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」) 新潮文庫 槍の名手・中村新兵衛の「猩々緋の羽織」と「唐冠纓金の兜」は、敵にとっては脅威、味方にとっては信頼の証であった。若い侍...
何とも見事に権力者の孤独を描ききっています 「忠直卿行状記」(菊池寛)(「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」) 新潮文庫 「忠直卿行状記」(菊池寛)(「マスク」)文春文庫 大坂の陣で武功を収めた忠直卿。彼は家中の若武士と槍を合わ...
暗い時代に多様性を失わなかった日本文学 「日本文学100年の名作第3巻 三月の第四日曜」新潮文庫 「猫町 萩原朔太郎」詩人の「私」は、散歩の途中で方角が分からなくなり、近所の町でさえ見知らぬ場所に感じる経験を度々...
現代のコロナの状況と極めてよく似ています 「マスク」(菊池寛)(「マスク」)文春文庫 恰幅が良くて丈夫に見えるが、実は人一倍内臓の弱い「自分」は、「流行性感冒に罹ると助からない」と医者に脅され、不安になる。家族ともども極...
まずはこの一作から読め!~明治・大正の短編集 以前も書きました。長編小説には長編小説の魅力がありますが、短編には短編のおもしろさがあります。日本語を噛みしめながら読みたい明治・大正期の短編小説集8冊をセレクトしました。 ...
生きた時代の流れがあまりにも速すぎた 「仇討禁止令」(菊池寛)(「日本文学100年の名作第3巻」) 新潮文庫 幕末の高松藩。勤王恭順を説く一派は家老を暗殺し、出兵中止に追い込む。家老を斬ったのは、家老の娘と許嫁にあった天...
美談は美談として素直に受け止めましょう 「恩讐の彼方に」(菊池寛)(「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」) 新潮文庫 主殺しを犯して脱藩した市九郎は、強請や強盗など罪を重ねる。しかし自分の罪過を思い知り、仏門へ帰依した市九郎は、...